「悪の法則」鑑賞

本作はコーマック・マッカーシーの新たな作品であり、彼の原作を映画化したものとは異なると思う。小説(書籍)は不可避的に可逆性を有する。理解に苦しむのなら反芻して理解を深めればいい。ちなみに彼の小説は台詞に引用符(鉤括弧)を用いないのが特徴だ。読者を俯瞰的立場には置こうとせず臨場させることに工夫を凝らす。そんな作家が「不可逆」そのものを表現するには小説ではなく劇場で鑑賞する映画が最適と判断し本作に至ったのは自然な流れと思う。今年の裏の最高級作品。

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