「アルゴ」鑑賞

18年間封印されてきた実話。1979年のイランアメリカ大使館人質事件でのCIAの救出作戦を描いた映画。

しかしここでベン・アフレックがやりたかったことは昨今流行りの実話に基づいた企画ではなく、

そのふりをした70年代のサスペンス映画をリアルタイム感覚で作りたかったのではないか、と思う。

セットや衣装などどれも秀逸であるが実話の再現はもとより実は70年代映画の再現が目的なのではなかったか。

かつてのワーナーロゴのオープニング、フィルムの粒子感、色合い、カメラワーク。ホテルの窓から見える景色は良く出来た書割りに見える。

そんな端々から監督の狙いを嗅ぎ取っている間に、あっという間に映画は終わる。

実はシンプルな話である、シナリオは割とベタ、尺は普通に120分ある、でもあっという間に終わる。

そんな映画はかつてあった。荒削りだが牽引力を持つ映画、かつての作品に宿るテイストをこの時代に再構築してみせた。

ここで描かれるCIAの救出作戦はウソの映画製作、粋なメタ構造、憎い映画だ。

ジョン・チェンバース役のジョン・グッドマン。今回は特にかっこいい。


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